遅まきながら2013.2月にインド映画に恋をしてしまいました。


by Akane

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違いのわかるムービー:初心者向 + バーフバリについての誤解 

 改訂しました。最初は、インド映画含めた世界の映画から見た日本の話で日本はガラパゴスな話。後編は、バーフバリを見た人が混乱してる内容についての追記。2017/04/17改訂追記
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<違いの分かるムービー 初心者向け>
『バーフバリ 伝説誕生』がいつものインド映画ファンとは違う映画ファン層に食い込んでる現象が起きてまして、なかなかに面白いです(笑)。その分、日本での映画の上映状況しか知らない客層には、いろいろ細かいところで映画についての「形式」が違うので、戸惑いもみられるようです。のでその違いについて、インド映画を例にして項目ごとに初心者向けに解説してみようと思います。「違いの分かる男」「違いの分かるコーヒー」(古っ)ならぬ「違いの分かるムービー」、日本式は実はとーっても!世界の枠からレアなんですよ(^^;)

★違いのわかる
ムービー その0.「アジアといえば世界では西~中東~南インドを指す」
 これは世界の常識なのですが、日本でアジアというと何故か東アジアの中国/半島/台湾(+東南アジア)ぐらいまでの範囲しか想像しない人が多いのですが、これは大きな間違いです。これらの地域は「東アジア」あるいは「極東アジア」です(東南アジアくらいは日本人も意識してますけどね)。
 世界一般的には欧米が中心になって社会をつかさどってる向きがあるので、その地域から見たら基本アジアというのは「西アジア、中東、中央アジア、南アジア」辺りまでを「アジア」として考えています。日本なんて東の最果てアジアの一番端という概念なんですね(^^;)。
 映画だけに限りませんが、世界で文化を知る手掛かりとして、日本人が間違って使っている『アジア』という言葉は、極東アジア国より西の地域『も』指すと、そう考えて物事を考えてみてください。何も世界は欧米だけが地球の上に陣取ってるのではありませんからね。では本番↓ww
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★違いのわかるムービー その1.「エンドロールが途中で音楽が無音になる。」
 これはバーフバリ上映で、普段から海外映画を見たことの無い方が困惑するようです。ですが、エンドロールの最後まで音楽が差し込まれるのは実は日本+一部の国だけの仕様…となっていまして、実は日本だけのガラパゴス仕様といって過言ではありません(^^;) 最後まで音楽を日本上映用に特別に差し込んでる洋画もたくさんあるのが実情なんです(^^;) ま、外国ではエンドロールの最後まで観客が座ってるなんてことはありませんで、エンドロール始まると大体みんな帰ります(^^;)。日本だけなんじゃないですか?おとなしく座ってるのって(^^;)。
 洋画と言えば=ハリウッド しか知らない層には、あまりこの辺りの各国の違いを知らない人も多いと思いますが、最後まで音楽をいれなきゃならないっていう決まりごとがあるわけでは無いので、無いからと言って映画の質がB級とかC級ということは、決して無いっ!とだけは知っておきましょう。

★違いのわかるムービー その2.「Intermisson形式」
 日本の映画が最近ではすっかりなくなってしまいましたが、インド映画には映画途中で「休憩」がありまして「インターミッション形式」を今も取っています。インド映画が、日本でこれらが上映される場合は、休憩に入るシーンを編集してつなげてそのまま連続して上映します。
 昔はハリウッドでもこのインターミッション形式での上映ははるか昔に行われていましたし、日本も黒澤明監督の映画なんかはその昔休憩があって、休憩の合間に当時のニュース映像なんかが映画館で流されていた時代がありました。インド映画は今でも!このインターミッション形式をとるスタイルであるので、そのインターミッションに入る前にスターの決め顔のドアップなんかが、ドーン!とでたりして、それはそれで楽しい映像を見ることが出来るのです。(Intermissionについては、このブログのコチラで解説済み)なぜインド映画が長いのか?ってのは、長くても問題がないこういう形式をとっていることも起因していることを頭の隅においてください。

★違いのわかるムービー その3.「インド映画は踊る?」
 こちらも、このブログでそれについて解説していますので詳細は割愛しますが、インド映画は踊る踊ると言われることが多いようですが、映画の成り立ちは元はBGM+映像です、舞台演劇大盛況の時代に映画の中にそれを収めたら、それがヒットしたこともあって、ハリウッドは元々「映画=ミュージカル」というくらい映画の成り立ちの根幹を成すものとなっています。日本だって「美空ひばり」やら「石原裕次郎」やら「クレイジーキャッツ」だって「ミュージカル」映画です。みんな銀幕の世界の中で歌って踊っていたんです。
 インド映画が今もスクリーンの中で歌って踊ってることは、別になんら不思議なことではないと思っていただけると幸いです。ちなみにハリウッドの映画だってむやみやたらといきなり踊りだすわけではないですよね?ちゃんとストーリーに沿った内容も踏襲されてますし。それはインド映画だって同じですよ?翻訳者の腕がマズイと変な翻訳でミュージカルパートが軽視された歌詞になってしまうこともありますが。

★違いのわかるムービー その4.「インド映画の歴史は古い」
 映画の歴史は百数十年。日本で欧米から10~20年遅れること120年超えくらい。インドでも100年~の歴史があります。英国の支配下にあったので、映画の歴史は割と早かったインドなのです。東アジア圏では、中国・半島・台湾などの映画は、日本占領下で持ち込んだ経緯がありまして、比較的新しい歴史しかないんです。ま、そのことからも、インド映画の歴史は、欧米→日本に次いで→インド…となってることを知っておいてください。だからあれだけの映画を現在も生産し続けている土壌があるのです。

★違いのわかるムービー その5.「ミュージカル音楽はプレイバックシンガー」
 インド映画は、基本、歌うのはスターとは別の人です。踊っているスター様本人が歌わないのです。歌ってる場合も時々ありますが、映画の世界がひじょーーに分業化していますので、俳優は演技をして踊りますが、歌うことは殆んどありません。優秀な俳優はそれもできる人も大勢いますが、職業カーストが社会に根付いている価値観があるので、音楽の家系一家は音楽を、伝統舞踊の家系は舞踊を…と別れている職業分業の社会だと知っていただけると重畳です。最近は欧米並みに歌える才能を持った方も出ていますので、そういうスターにも注目だと思います。

★違いのわかるムービー その6.「インド映画にサントラは?」
 インド映画で、BGMが素晴らしくネットやCDでダウンロード販売が近年ではなされているのでそれらを購入することが出来ますが、インド映画は何故だか「フルオーケストラのサウンドトラック」という概念がひじょーーに薄いので(インストサントラのBGMで売る概念がない)、ネットやCD販売で買っても「歌い手の声の入った楽曲」しか入手できないことが一般的です。 この辺りは欧米映画などと概念が違うので戸惑う人も多いですが、インドではそれが当たり前になっています。
 最近では素晴らしい作曲家の演奏による「フルBGMの入ったサントラCD」などももちろん!販売されていますが、よっぽどの才能のある作曲家でない限り、なかなかそのような販売には漕ぎつけてはおりません。有名なところでは、A.R.ラフマーンという作曲家がいますので、探してみてください。日本にも何度か来日してくださってる方ですよ。

★違いのわかるムービー その7.「映画上映前にミュージックランチ」
 映画の宣伝で、インド映画では映画の上映前にその中の楽曲を映画宣伝がてらに紹介をするという「ミュージック・ランチ」(オ-ディオランチとか言ったりもする)という派手な宣伝イベントがあります。映画の曲がいいとみな映画館に向かうので、そういう宣伝を映画の上映前にするのです。先日日本で封切られた4/8のバーフバリは、その続編がもうすぐ公開されるのですが、同じ4/8に本国インドで「バーフバリ2」のオーディオランチがタミル地域で行われておりました。ちょっとトリビアね(笑)

★違いのわかるムービー その8.「インド映画は多言語」
 インドは多言語国家です。ですので、言語が20種類以上、方言含めて100をゆうに超える言葉が使われていると言います(細かく分けると1000とかどうだとかほんまか?w)。故に、映画もその言語ごとに合わせた、ご当地ムービーが各地域で作られていて(主に7~8言語くらい大きなビジネスになってる業界がある)、一番有名なのは「ボリウッド」と呼ばれる「ヒンディ語」の映画です。他にも南のインド映画に地域はタミル語などを中心にした映画造りが盛んで、その言語地域ごとにスターがいます。最近世界で注目浴びてきたヒンディ語は国策もあっての映画産業なので、世界に向けて輸出されてインドの文化を理解してもらうツールの一つにもなっていますが、各地域も中央の北に負けじと、南も一部のスターは世界市場にうってでているので、そのうちの一つとして今回きた「バーフバリ」という映画はそういう地方映画の国際市場に打って出ている映画の一つというわけです。テルグ語圏の映画だと知っていただけると、ウレシイです。

★違いのわかるムービー その9.「インドは地域ごとに吹き替えも」
 ヒンディ語映画は政治に中心地の北インドに近いので国策の傾向が強いので、インド各地でも上映されます。ので、言語の壁がありその際にその映画の言語は各地域ごとに、その地域の言葉を喋る俳優が吹き替えをして上映します。もちろん!人気作品だと、地方の映画が北/中央で上映されるときには、ヒンディで上映されることもありますが、圧倒的にヒンディ映画を地方で上映するときには地方の言葉を喋る俳優で吹き替えられます。またご当地スターがいますので地域ごとに「スターが違う」ということも知っておいてください。
 日本で公開された「マッキー」という映画は元は「Eega」というテルグ語ですが、日本で上映されたときにはヒンディ語で「Makkhi」として上映されました。もちろんヒンディを話す別の人で吹き替えられています。俳優さんの中には数言語を話す人も少なくないので、そういう人は自分で別言語吹き替えなさる方もいます。
「バーフバリ」はテルグ語ですが、テルグ映画はタミルでも上映されることが多いので、テルグ語もタミル語も自分でしゃべる俳優さんがいます。

★違いのわかるムービー その10.「インドは他宗教文化なので映倫が厳しい」
 インドが、ヒンズー、ムスリム、キリスト教、仏教他…と多宗教な文化を持つ国家であることはご存知のことと思いますが、そのことが社会問題の種になったりの歴史を繰り返した複雑な社会を抱えています。ので、そういう文化に違いなどでセンシティヴなものを作品として作ると、暴動やデモが起きたり、製作途中に噂だけで暴漢が因縁つけて襲撃したり(この間もあったな…)ということは、日常茶飯事に起こります。そういうことでも誤解や問題が起きないよう、例えばイスラムの教えの元では女性のセクシャリティな面はひじょーーに厳しい扱いになることもあって、「当局による映倫」(=censor)は欠かせないものとなっています。インドの映倫はひじょーーに厳しいので、映画を製作する側と当局とのせめぎあいは、苦労している様がとてもよく見てとれます。
 またインドで上映されるハリウッド映画などは何故か映倫で規制があまりされないのですが、インドで作られる映画は映倫が入ります。キスシーンとかベッドシーンはなぜかそのままハリウッド映画はインド国内でも流すんですね(笑) この辺はインドの謎でもあります(笑)
 よくダンスシーンで雨が降って…は男女の愛の交歓を表す…とインド映画では言われますが、インドにミュージカルが多いのも、ダンスシーンでそこをカットされないよう音楽の歌詞にダブルミーニングで、セクシーな意味合いを持たせたりなどして、直球でセクシーなシーンを見せれないのを「演出として代替する表現」にミュージカルシーンが使われたり…などしてきたという経緯があるんですね。伊達にいきなり踊るわけでは無いことは、少し知っておいて欲しいと思います。

★違いのわかるムービー その11.「インド映画は、別言語2回撮りやリメイク・リメイドも盛ん」
 その言語に絡んでの話ですが、インド映画は地域が近いところでは、タミル映画とテルグ語映画は、同じ映画をその場で2回撮りなどして俳優がセリフを喋り、テルグ語/タミル語の両方で上映する…ということがあります。これは映倫なんかも関わってくることがあって、地域が違うことで一部カットされる部分が違うこともありますし、内容をその地域に合わせた慣習で撮ったりすることもあります。
 先ほども言ったご当地スターを大事にする文化であることもあって、ある地域でヒットした作品を、別のご当地スターでご当地言語でリメイク(フランチャイズに出すタイトル)ということも盛んにおこなわれています。また、リメイク・リメイドが発達していて欧米の作品(キリスト教圏文化の作品)を、ヒンディやイスラム圏の文化に置き換えてリメイドすることも盛んにおこなわれています。(キリスト教圏の映画をイスラム圏で上映できるか?というとできないことも多いので、そういう理由もあります(^^;))
 私もブログでそのリメイクのことは「インド映画の沼」として紹介していますので詳細はそちらでどうぞ。

★違いのわかるムービー その12.「インド映画は、昔は安かった」
 インドがB級と言われた時代がありましたが、これは欧米に対して、欧米が一級品だと考えたときの基準ですが、これらは白豪主義な欧米社会の価値観ですので、またその時代には彼らが富を独占していたのでそういわれるわけです。ハリウッドの映画は確かに歴史もあるし面白くもある映画産業が出来上がっている社会ですが、ハリウッドの映画は買いつけると上映権が「高い」です。
 が、これらの欧米の映画の内容を「キリスト教圏以外の価値観で」リメイクやリメイドしたような第三国映画をつくり、「ハリウッド映画などを買えない国々」向けに「安価な映画を、貧しい地域に売っていた第三国映画産業」という国々がいくつかありまして、その大きな映画産業地域として、インド映画があった…経緯があります。もちろん!素晴らしい作品の芸術品のインド映画もクラッシック時代からもありますが、そういう産業もやっていた国もあることは知っておきましょう(ナイジェリア映画なども有名ですよね)。
 今はインド映画も、クオリティをあげることに邁進して質と単価をあげて、ハリウッドに追いつけ、追い越せという気概をもっていることは、皆さんもその眼で映画をみておられることと思います。ですので、インド映画は欧米価値観とは違う概念の元にあるだけで、インド映画=B級では無いということは、知っておいて欲しいと願います。どこの国でもB級とか作っていますので。

★違いのわかるムービー その13.「インド人は世界の映画が大好き」
 インドは映画が大好きなので、欧米洋画もたくさん見てます。シュワちゃんやスタローンも大好きで、マッチョな男性は男らしさの象徴として、彼らの映画のスターの重要なファクターになってます。インド映画に細マッチョや、6packマッチョが多いのは、男性俳優の彼らのシュワちゃんやスタローンの影響から来るものでもありますね。あと、その鍛えた筋肉を見せたがる俳優も多いので、女性は映倫が厳しいので脱がないインド映画ですが、男性俳優はガンガン脱ぎますね(笑)。その筋肉を見せびらかすためにww
 あと、国家間は隣り合わせる国同士は政治的には仲が悪い経緯がありますので(何度か戦争になってる)微妙ですが、映画は国境を超えるのでカンフー映画とか、中国映画も彼らは大好きです。ジャッキー・チェンやブルース・リーも人気があるので、インド映画に香港映画の影を見るのは間違っていない話なのです。香港映画との製作畑での交流も盛んですよ。(そう、昔の香港映画みたいに台本が盗まれるので現場のスタッフ持ってないwっていうのは、インド映画も同じだったりします。その分をインド人の超記憶力でカバーするようです。ちょっとトリビアね)
 
★違いのわかるムービー その14.「ダンスに拘る」
 インドは音楽やダンスに拘りますが、伝統舞踊があるから…ということだけではなく、大衆娯楽映画となるとそういう世界の人気スターを勿論彼らは好きなのです。英語がわかるのは大きいですね。Queenのフレディ・マーキュリーはルーツがインド系にありますし、マイケル・ジャクソンはインドの群舞をから自分の作品に取り込んだといわれていますので、インド人はマイケル・ジャクソンが大好きです。ですのでマイケルのようなダンスをする人などはとても喜ばれます。またダンスの振り付けは「コレオグラファー」という職業の人が振り付けまして、コレオグラファー出身の監督さんも輩出していたりなどします。

★違いのわかるムービー その15.「スターは歌舞伎役者?」
 インドスターは、映画業界の2世3世などの映画の業界の子弟などが沢山います。芸術系の家柄の出身などに拘ったりも済ますので、日本でいうところの歌舞伎役者みたいな感じもあります。もちろん!映画界の子弟以外からスターダムにのし上がったスターもいますので、一概にそうだといいきれませんが、そういう2世スターの傾向があることは知っておきましょう。
 ただインドでも、映画業界やIT業界は、インドの伝統によって振り分けられた職業カーストの枠ではないここ百年(映画は100年、ITは20年)の勃興産業であるので、製作畑などでの技術があればカースト関係なくリスペクトを集めたり出世が出来る産業でもあるので、才能が集まってくる業界ではあります。

★違いのわかるムービー その16.「監督は凄い!」
 インド映画の監督は万能な才能の持ち主が多いです。言語の違いを超えれることや意思を伝えるのに自分がやって見せれるというのは、大きなファクターになるので、映画スターをやってた人で監督などをする人も多く、またスターの側もデビュー前はアシスタント・ディレクターや、アシスタント・プロデューサーなどを経験している2世3世スターもかなりいます。
 そしてミュージカルな映画が多いこともあって、もちろん音楽楽曲は他の専門家が作ることも多いですが、巨匠監督になりますと、自分の映画でスコアを書く監督もいます。そうです、まるでオペラ歌劇を作って指揮した過去の偉大な作曲家たちのような才能を持つ監督もおられるのです(^^;)。これには驚きます(^^;)。音楽が重要なファクターになってるインド映画ならではの技量が要求されますので、音楽の感性や知識に相当の造詣が深い方々も多いです。自分の作りたいものをどういう製作工程で音楽などピッタリ素晴らしい作品を作るよう指示を出しているか?などの製作過程については非常に知りたいです。音楽がずば抜けていい映画となると、気になってしょうがありません。

★違いのわかるムービー その17.「上映中はうるさい?」
 日本では上映中はお静かに…と言われますが、世界の映画館で映画を見ますと、みな観客は声を出して笑ったり、好きな俳優が出てくると指笛を鳴らして応援したりなどします。もちろんあまり無意味な奇異な行動をすると咎められますが、映画をみての喜怒哀楽を素直に出すので、日本は少し大人しすぎるかもしれません。これはインドだけではなく、世界各国でもわりと上映中はざわざわしてるのは普通ですね。(子供の多いポケモン上映とかのにぎやかさみたいなのが、世界での映画の上映の普通じゃないかな?)
 また大スターの初回プレミアム上映などでは、お祭り騒ぎでその映画やスターをお祝いしますので、こちらの大騒ぎはここのブログでも何度か紹介させていただいていますし、日本ではそのような大騒ぎのイベント上映マサラ上映と称してインド映画を楽しんだりしているのは、こちらのブログでもずっと紹介させていただいています。
 映画を見るのに、素直に喜怒哀楽を示せる程度には、どこの映画館も楽しく見れるのが普通でして、日本は少し神経質すぎるかもしれませんね。(日本ではその昔、映画館は風紀の悪い場所でした。良からぬ輩、痴漢やスリ等がいるような場所だったりしたことから女性が行きにくい場所だったのですが、その後マナー改善に尽力尽くして今のような大人しい映画上映になりました)
 ちなみにインドでは映画館へは女性は一人であまり行ったりしません(やっぱり危ないようです(^^;))ので、男性のお友達みんなでとか家族でと映画に行くようです(^^;)

★違いのわかるムービー その18.「インドが特別のなのではない、日本がガラパゴス?」
 ここまで書いてきたのをざっと見ると、きっとお分かりいただけると思います。そうです、ただ単に日本は洋画と言ってもあまりにも他の国の映画、特に西洋文化圏以外の映画についてしか!見てきてないので(それ以外は極東アジア方面)、単に世界がどんな映画あるかを何も知らなかっただけの話です。またインド映画は英語がわかる人の母数が多い国でもあることも相まって、歴史も文化もそしてそれを支える人材も豊富な社会(人口の母数が多い)でありますから、世界中どこにでもインド人がいるというのは大きな話です。また民主主義な自由な社会でもあるので(わりとそこが重要、中国と一線を画すのはその点で違う)、なんでもありのカオスな社会ではありますが、表現の自由が割と認められてることもあって、言論弾圧で国家が全部を牛耳るような独裁ではありません。自由なぶっ飛んだ映画が多いのは彼らの映画の最大の特徴となっています。
 多くの文化や古い歴史や哲学に裏付けられた社会であるので、バラバラだけど一つの国という多文化共生の見本国でもあるのです。その代り日本には無い無茶苦茶さはありますけどね(^^;) 治安の悪さとかはモロにそこに反映していますが(^^;) しかも映画人って知的インテリジェンスが相当高いので、ひじょーーに頭を使う作品も輩出しまくっています。
 映画というのは、その国の文化を知ることが出来る簡易なツールでもあります。私たち日本はあまりにも欧米文化の価値観を吸い過ぎる映画しか見てきていないので、これはかなり問題だと思います。島国根性がこびりついていますので、「これが普通」だと思ってみていた映画の世界も、ざっと書いただけでこれだけいろんな違いがあるのです。
 



<バーフバリについての誤解>
 こちらは、先日ツイッターで書いた内容のテキストだけの再掲+追記です。「バーフバリ」という作品についての皆さんが戸惑ってるだろう部分を補完しています。大方ハリウッドしか見てきてない人で表面上戸惑う人向けのトリビアかな。
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「バーフバリ」に対しての誤解その一 エンディングロールが最後までBGMついてるのは、日本と一部の地域だけの仕様で、世界標準では、エンディングロール途中で客が帰るのでBGMをつけたりしない。日本だけがガラパゴスww

「バーフバリ」に対しての誤解その二 →
現在インド映画で一番世界で有名なのはヒンディ語の映画でその技術も脚本力もスターも欧米と遜色のない或いは超えている作品を生み出しているが、南のタミル映画も勿論世界市場で売り上げられている。そしてテルグはその次の3番目くらいの規模。

「バーフバリ」に対しての誤解その三 →そのテルグ映画で、今回のCGが一部ちゃちく見えるという人は、この監督の映画「マッキー」「あなたがいてこそ」(日本で既に公開済)を観てない方。「マッキー」映像素晴らしく鳥シーン秀逸!監督がどれだけヒッチコックをリスペクトしてるかわかるシーン。インド映画のCGやVFXのレベルを知りたい人は、レンタルで出てる最近のDVDを入手してみてください(ボリウッド中心ですが)。わざとチャチペラっぽく見せてるそういうエフェクトにしてる「クリッシュ」のような映画もありますが、「ラ・ワン」とかはあれは映像かなり良かった。今度南インド映画祭が2017年4/29-5/13(東京/大阪)でやりますが是非「24」や「Theri」を見て今の南インド映画の映像の実力を知ってみてください。 

「バーフバリ」に対しての誤解その四 →インド神話を語る時、背景の絵に描いたような動かないようなシーンは、インド人には見慣れている神話の観劇(マハーバーラタやラーマヤナ等)の舞台劇などを映画に投影したシーンだから、それを映画のなかにも取り入れてる。インドのTVドラマの神話ものはそういう背景画面も多い。インド神話の巷にある絵画的なものを踏襲もし投影していると思われる。インドは決して全部を全部西洋化した表現にはしない。インド人がなじみある「絵」を画面の中に映しこむ。

「バーフバリ」に対しての誤解その五 →顔の見分けがつかない人もいるが、髭に対する概念が日本とかなり違うので、髭のある男らしい男は昔物語には不可欠。そして南インドの女性は総じて強烈に気性が強い映画も多い。カーリー神という女神などが残虐に暴れる神話などがあるので決して弱くない。正直、インド映画の女性は恐い人もぎょーさんw(神話に基づいてるので)。怖さの質が違う(^^;)

「バーフバリ」に対しての誤解その六 →この映画はいきなりワールドワイド公開。世界はインドハイデラバード中心とするIT関連企業に注視してきており、前作「マッキー」からこの監督はそれらの技術支援を受けて、巨額の資金を投じて国内の技術者を育てることも含めての大事業としてこの映画も完成。
世界の資金が投資先の一つとしてインドを見据えている結果この映画であることは特筆しておく。ちなみにLotRのピータージャクソンも映画製作に際してそうやって地元で人材を育成するために産業育成の掘り起こしをしたことは有名な話。日本監督でそれほど投資がしてもらえる監督はいるのだろうか?

「バーフバリ」に対しての誤解その七 →この映画は北米公開でBoxOffice初回Top9から入っています(その次、6位)。ですが北米BoxOfficeでTop10に入った映画はインド映画では過去に「Kites」「My name is KHAN」等がある。テルグ語映画としては初。

「バーフバリ」に対しての誤解その八 →この監督はヒッチコック好きで、必ず映画の中に自分が登場しているシーンがあるが、今回国際インターナショナル版の20分カット版なので、ダンスシーンにでてる監督のカットは上映では割愛されている。他のシーンで出てるのなら私は見つけれてはいないwwご存知ならどなたか教えてww

「バーフバリ」に対しての誤解その九 →iTunesなどでサントラCDを買う際には、欧米風のフルサウンンドのインストBGMは入ってると思い込まないように。インドでは人の歌のは入ってない曲をサントラに収めることは稀。一部の有名音楽家しかそのようなサントラを出さないのがインド映画の定石

「バーフバリ」に対しての誤解その十 →今回絶叫上映だったが南インド映画と言えば日本ではマサラ上映で映画のお祝いをする大騒ぎが2000年初頭から行われてきている。絶叫だとゴミは出ないがマサラだと紙吹雪が舞うのでみんなで後片付けをするのは日本流。塚口は絶叫?マサラ?どれ選ぶ?
 「MadMax怒りの~」ような「バーフバリ」と言われてるので少し思う一部分もある(あくまで一部分)。真似じゃないし、どっちも脳内アドレナリン映画になるのは一緒だけど(笑)。マッマ怒りの~2015年5月本国上映、バーフ2015年7月上映。どちらも同じ年。日本だけが洋画上映はガラパゴス。絶叫上映がOKとなった理由のひとつには、本国インドの初日初回の大騒ぎの映画公開お祝いのさまをこっち日本でも再現しようとしている上映形態があることを配給会社や映画関係者も理解していて、既に日本では2000年初頭からマサラシステム/マサラ上映として、インド映画を中心に行われており、それらから派生しただろうと思われるイベントの一つにこのような声出して騒いで見れる形態の上映スタイルがある。(観客参加型の上映はロッキー・ホラー・ショーが最初と言われている。) それのゴミが出ない版のような「映画を見て素直に騒いでもいい上映スタイル」が絶叫上映の範疇にも思われる。

バーフバリ」に対しての誤解その十一 →前半部分を、意味の無い突然踊りだす映画だと思っている人にはインド映画を見慣れていないのが残念だ。各スターが踊るのはインド映画の大事な観客へのアピールでもある。インド映画の造り手の基本は「どうやったら観客が喜ぶか」を最優先に考えて映画をつくりし、各スターに熱く命かける位の熱狂的なファンがいるので、主役のダンスは絶対に外せない(^^;) 残念ながらこの国際版では2曲割愛されているが、一曲目は持ち上げリンガのちダンスシーンで、主人公の未来と予感を匂わせる一曲になっている。(二曲目はほんとにボーナスシーンなダンス曲。バーフバリが美女3人侍らせて踊ってる間に、バラが間者を探し出すだけのシーン。観客向けボーナスダンスw しかも映像も面白いw)
 長いとか踊るとかいう人は、邦画も洋画も古いものを見てきてないだけの人なので、昔の古い映画を見てみることをお勧めします。自分が見てきていないだけなものを、そこで紋切り型に判断しないで欲しいと願う。なぜなら世界は広いから・・・(^^;)

「バーフバリ」に対しての誤解その十一 →持ち上げる神様の像はLingaといって、強さの象徴を表すご神体でもあり男性のソレを表す道祖神のような側面もある。力の象徴の石像をシヴァドゥが持ち上げることは「力持ち」だけでなく「神に選ばれた人」であることを示してもいる。ちなみに名前にシヴァ神の名をつけている。シヴァは力だけでなく破壊の神でもある。

「バーフバリ」に対しての誤解その十二 →タトゥーはヘナ/ヘンナを材料とするメヘンディと呼ばれるインドの肌彩色で2~3週間で消える。そのツールで映画の中のドラマにしているが、恋愛過程については、気になった女を向きにならせて怒らせるのは、恋愛セオリーからははずしていないw ストーキングっぽいという人もいるが、基本インドの社会が男性が女性を選ぶ価値観がまだあるからだし、神話時代なぞさらにそう。北欧神話のゼウスなんぞ好色浮気性の絶倫やん(^^;) ま、架空の物語なんすから、そう目くじら立てるようなことではないはずです(^^;)。つまりは「このストーリーは神話的ファンタジー」なのでいろんな点で辻褄なんか合わなくたって構わないわけですわww

「バーフバリ」に対しての誤解その十三 →雪山のシーン。シヴァドゥという名前の由来はシヴァ神からのものだが、シヴァ神が冬山で闘って腰かけるという話が神話にあるので、シヴァ=冬山のモチーフはおかしな話ではない。映画の絵として樹氷の飛び散る地域で映像に収めたかったと思われ。冬山にいるのに急に楽園の庭にいるのは恋愛の心象風景、インド映画お得意の恋愛妄想シーン、男女のムニャムニャシーンの代替演出。映倫の厳しい国では直接的な映像では恋愛表現ができないので、そこは文化の違いと心得て。

「バーフバリ」に対しての誤解その十四 →一番ありえるのは、この監督だと「そんな伏線の回収があったのか!( ̄□ ̄;)」というのは十分にあり得るので、どんなシーンでもそこは舐めてかからないよう…(^^;) インド映画が踊る内容に意味があることを理解できない人が多いけれど、歌舞音曲が映画/芸能/エンタメの根幹だと理解できない人には、自分の価値観がどこでそのようになって刷り込まれてるのか考えてみてね。インド映画は、固定観念でモノを見てるといっぱい見逃すことがてんこ盛りに出てくるので、そしてそれだけ緻密に構成された映像も紡げる優秀な監督が多いので、是非!自分の知恵と知識とそのセンスとで、監督から出されるQuestionに応えてみてください(^^)v (インテリジェンスいるよぉ~インド映画ってw)
------------

 エンディングロールで無音になることで戸惑っている方も多くいますが、実は自分が常識だと思い込んでたその内容というのは、日本だけにしか通じない「ルール」であって、海を渡った向こうでは全く全然違う「形式」で映画がなされているのかもしれないものを、そこを日本式が好き嫌いは別にして、日本式と同じでないからB級だとか質が落ちるとかそんな風に考えてしまうのは、実はとても無知なことなのかも知れないよ?(^^) ということを、ここで伝えておきたいと思います。
 この辺までは、日本で出ているインド映画や、ネットで見れる英語字幕のインド映画を合わせて10本ほど見れば、自分が見てきた洋画とは違う映画の形式を知ることとなる範疇の、ごくごく、初心者向けの内容です。その先にある映画の内容や複雑な側面やセオリーなんかは、自分で見て、感じて、調べてみて自分の頭でたどり着いてみてくださいね(^^)/


 @@他にもインド映画だけじゃないいろんな国の映画を知るといろんな違いが判りますが、違うものを好みじゃないからと言って排除してレッテル貼って卑下したりするのは、欧米主義白豪主義的レイシズムという西洋文化の持ってる悪い部分を吸収してしまっている価値観だと私は思います。そんなマイナスな点は真似しなくていいです(^^;)。どこの国であろうと!欧米だろうが、南アジアだろうが、いい点はイイと評価できる寛大で広い視野を、和をもって認めることが出来るのが日本の良さではないかと私は思っているのですけれど(^^)/
by AkaneChiba | 2017-04-14 02:42 | Intermission | Comments(0)

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