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遅まきながら2013.2月にインド映画に恋をしてしまいました。


by Akane

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映画「TEVAR」 -2015

 一応、以前にもこの映画については、元のオリジナルの「Okkudo」から「Ghili」の話で、この映画に触れましたが、せっかくなんで映画の評価もしとこうと思います。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01291810.jpgというのも私はキモオタ・アルジュン君が気に入ってまして、彼のどうしようもないイマイチさがツボになってるので、こんなタイプのちょっとやんちゃくれの出来の悪いかもしれない息子がもしいたら「あんた何馬鹿なことやって、お母ちゃん恥かかすきか、こんな出来の悪いのを自分が生んだかと思うと、情けない!!!」とかいいながら、耳引っ張ってこの息子をどつきまわしてみたいww という(笑)デビューのIshaqzaadeの母ちゃんみたいにw どんな気に入り方の基準や、それw 
 しかしあのころとは違い、この映画ではか弱い女性を庇う正義の脳筋男…というしっかりアクション・ヒーローの典型の役どころとしてやっております(笑)。

★「TEVAR」 -2015  Wikipedia  IMDb 
https://www.youtube.com/watch?v=LvMpWn2CNzs
//----
ストーリー:ピントゥ(=Arjun Kapoor)はどこにでもいる普通の中流の息子で常勝のカバディ選手。カバディのことしか頭にないちょっとしたやんちゃくれ。カバディ仲間にも頼れる存在として信頼も厚く、普段は仲間たちと冗談言いながら過ごす毎日、チンピラに絡まれている女性を見過ごせない正義の味方の心も持ち合わせている若者らしい側面もある青年。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271631.jpgその州首相の政治家で町の実力者の年上の従弟に持つ力ずくで物事を排除/殺人をしてきたやくざなガジェンダラ・シン(=Manoj Bajpayee)が祭りのダンサーをしていたラディカ(=Sonakshi Sinha)に一目ぼれ。彼女との結婚を脅して申し込むも、彼女の新聞記者の兄に断られガジェンダラ・シンは邪魔なラディカの兄を殺す。ラディカの父母は彼女をデリーからアメリカに逃げさせようと送り出すが、ガジェンダラ・シンに見つかってしまい連れ戻そうとしているところに、通りがかった嫌がる女性の姿を見過ごせなかったピントゥは、つい彼女を助けてしまう。そして銃で狙われたので慌てて目の前にある車とそのラディカとともに成り行きで逃亡するハメに。巻き込まれガジェンダラシンから逃げている事情を知ったピントゥは彼女をアメリカ行きの飛行機に乗せるまで面倒を見ることを約束する。ピントゥは執拗なガジェンダラ・シンの追求を逃れてラディカを無事に国外へ逃亡させることができるのか?-----//

<映画の評価>
 一般的な映画評価が悪いのはしょうがないです。何度もリメイクされすぎてきた題材だけにインド的には飽きているでしょうから。でも、決して悪い映画ではありません。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271552.jpg映像の中味はしっかりと「さすが大衆向け映画を撮りなれてきている映画一家」というだけあって、叔父さんのSanjay Kapoor のプロダクション製作で、父 Boney Kapoorがプロデューサーとして、息子 Arjun Kapoor を主役に、ヒロインが従弟のSonakshi Sinha というファミリー・プロダクツな一本となっています。 敵役にベテラン Manoj Bajpayee のおひげ姿も悪役にふさわしい姿となって若手の主役やヒロインをしっかり導く芝居をしてくれています。Manoj Bajpayeeといえば、今年のIFFJで上映している「Aligarh」の主役はこの方です。こちらでは真逆の物静かなゲイの大学教授の役どころをやっておりますね。

 さて、この映画、叔父さんや父ちゃんが息子のために、仕事を用意してやったっていうものかもしれません。そして彼を主役にアクションをしっかり撮っておりまして、そのアクション映画の訓練も兼ねて、結構な制作費をかけての一本でした。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01291795.jpg残念ながらFLOPしてしまいましたが、私の眼からはアルジュンもソナクシもしっかりスタッフに支えられて、特にソナクシの演技と表情を監督が指導演出してしっかり追いかけて映像を見せたカットは、良い表情をしっかり撮れてる一本だと拍手したいと思います。
 また、気軽に頭を使わないで見ていることができるヒーロー・アクションなので、音楽の楽しさも、ソナクシのダンスシーンの豪華さも、アルジュンのスーパーマンっぷりも、そしてマノージ・バジパイーの眉の無い三白眼な悪役っぷりも、バランスの取れた一本になってるのは、スタッフの良さが画面からわかる一本であると思います。アルジュンと言えど、アクションをできるだけワンシーンで撮りたかったのでしょう、遠くからの引きの映像が多いのはアクションの出来る人に必要な画面なのですが、どんくさいアルジュンでも及第点くらいには頑張ってると思います。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271426.jpg悪役商会なスタントマンの方々をしっかり撮っている映画って、主役がそれほどアクション出来ないときの見せ方でもあるんですが(笑)、その分スタントさんの技量は要求が高くなるので、そこを撮れてる映像に悪い映像は無いと思います。スタッフともどもベテランのセオリーにしっかり支えられている映画だったと思います。
 カバディの選手という役どころとしては、彼の体躯がそれをしっかり見せてくれるのが相乗効果でピッタシの役どころでしたね。




<アルジュンの魅力>
 私が一番最初にアルジュンを見たのは、ここ近年の中でもブロマンス・マサラムービーの快作となった2014年「GUNDAY」が初めてだったんですが、ランチンさんを追いかけると同時に、アルジュンも目が離せない存在になってしまいました。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271612.jpgランチンさんは確実にキャリアを詰むだけの目標の高さと元々の実力の器、向上心の強いハートがその根底にあってめきめきスター街道まっしぐらで昨年の「Bajirao Mastani」で一つ役者としてのステージを上がった感があります。
 しかしアルジュンは、決してうける映画を狙うのでもなくインド映画界ではネタ扱いにされる立ち位置のスターとして映画がイマイチ興行が伸びません…というか。今一歩ダメな奴っていう不器用なかわいさは魅力として持ってるので、TV番組の司会や他の大御所スターとの共演で支えてもらっています。彼のぶきっちょっぽいかわいさの魅力は捨てがたいのでラブ・ドラマの方にもシフトしてもいますね。
 ですが私は彼の魅力は、その体躯太い眉の下に並ぶ三白眼は、画面でアップになったときにひじょーーに漫画チィックな役どころにピッタシの「画」になるんで気に入ってもいます。
映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271680.jpg
 アルジュンはさんざんにファンにネタ扱いされてる立ち位置の俳優ではありますが決して全くダメというわけでもなく、身長の高い図体のデカさをしっかり痩せた肉体改造でデビューを果たし厚い胸板と肩幅とその身長は隣に背の高い女優が並んでも決して引けを取りません。ボリウッドスターは縁故も多いため決して身長が高い人だけがスターになるのではない中で、女性もスラリとした八頭身美人も次々出てくるインド映画の中でこれはかなりの高ポイントです。(ディピカやプリヤンカと並んで身長がヒケを取らなかったのはかなり大事。)またその表情は、彼のまっすぐでぶっとい眉と三白眼は、真正面から見ると映画の画面の中で実に絵になる表情となるので、今から6~7年後くらいの彼の芝居も風貌も化ける旨味を持っているのではないかと思ってもいます。今が勝負どころなのでこの3~4年の間にとにかくキャリアを積んでまだまだ成長できるので、その成長を見ていきたいと願っています。決して悪い役者ではありません006.gif。女性がキャーキャーいうような側面は持ち合わせていませんが(笑)、彼を主役に張っても画面が絵として立つので、女性の扱いにもう少しうまくなれれば(酷w)もっともっといい役者になるでしょう。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271563.jpg 彼の苦手は「成熟した大人の美人」で、美女の横に並ぶとタッパと肩幅あるので美人と決して引けを取らないのですが(この写真のシュルティとも絵になる・笑)、そこを相手に踊るのはまだ距離がある感は否めませんが、そういう女性を相手に臆することなく芝居やダンスができるようになれば化けるタイプだと思います。今のところどの映画も相手役の女性にビビってしまっていてケミストリーに成功してる例は幼顔なアーリア・バットとの「2States」くらいしかありませんがね(笑) 大人の女性に奥手なところはキモオタ君の異名に恥じないことかもしれません(さらに酷w)

<見ごたえのダンスシーン>
 この映画の中でも、そのダンスナンバーに、シュルティ・ハーサンとの一曲があります。私この方大好きですわ。美人でダンス踊れて歌も歌えて、父はあのカマル・ハーサンの娘だけあってプロ根性も相当に女優さんだな思ってみています。とにかく!美人ですわw ヒンディも出演してますが、テルグやタミルがメインのようで、私は彼女はヒンディでもっと売れてもいいんじゃないかと思っています。https://www.youtube.com/watch?v=gdmMCmbvWB4

 ね?色っぽくてセクシーでいいでしょ?アルジュンも遠慮して女性に触れそうになる接近ダンスは少し距離がありますがw 表情も体格もどっしりしてて、この映画の役どころのちょっと女性に奥手っぽいスポーツ選手という脳筋系役どころには、こういう美人は似合います。表情含めてほんとに悪くないダンスナンバーになってます。シュルティが美人だなぁ~ww

 ですがこの映画のメインはこのダンスシーンではありません(笑) なんといってもソナクシがラーダソングを群舞で踊るロケシーンのダンスが見ごたえがある一本でした。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_02174117.jpgというのもこれが一番「expensive」だったらしく(笑)、プロデューサーのBoneyも、そして叔父のSanjayも!別々のインタビューで口をそろえるかのように「expensive」と言っていたのには笑ってしまいましたwよっぽど費用掛かったんでしょうねぇ~(^^;) 実際、この年までのソナクシの出ている映画の中で、彼女の代表ソング/ベストソングといってもいい出来栄えになっています。それはここではリンクを貼りません(笑)どうか映画をご覧になられて、その豪華さを堪能していただきたいと思います。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_02224748.png映画のキモでもあるシーンでもあるので、ソナクシの美しさを存分に堪能して、そこで敵役が女神恋に落ちるところである説得力のあるシーンになってます。敵役のマノージも結構トリッキーでいいよねww。

  元のオリジナルの映画も、音楽・ダンスシーンがひじょーにキモになってる映画で、そのリメイクの映画も音楽が大ヒットの映画です。本当ならその音楽をこの映画でも使いたかったかもしれませんが、実はその映画は2年前に、BOSSという映画でアクシャイクマールとプラヴディーヴァのダンスアイテムに搔っ攫われてしまっており、この映画向けにはその曲を踏襲することが出来ませんでした。そこでそのダンスナンバーの部分を、まったく別のものに仕立てるしかなく、その別のもの以外のところに相当に力を入れてヒット曲ナンバーを作り出しています。そういう理由でソナクシの一曲もさらに力が入ってExpensive!だったのだと思います(笑) 

<アルジュンの映画で行き先>
 この映画を見ていて最近気が付いたのですが、この映画はかなり男女の恋愛のセクシャルな部分をすっ飛ばしています。アイテムソングのダンスシーンはアイテムガールが色っぽいですが(笑)。決して多少そういうものを表現してないわけではないのですが、映画の中の男女の間の愛は純粋な愛情で、主人公の仲間の友人たちと若い男どもが女の子の話をするときの会話などが、実際には若い男性だったらもうちょっと下品な会話になってもおかしくないのですが(笑)、その辺りの表現がかなり抑えられています。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_23202559.jpgまた悪役が恥をかかされるシーンがあるのですが、オリジナルでは他のリメイク含めて3本もの映画で泥水を頭からかぶったプラカーシュラージさんwwでしたが、このネタはシャールクのChennai Expressでも既に使われてるので、もちろんこの映画に使うわけにはいきません。
映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271586.jpg そこで監督たちが考え抜いたのが、その恥をかかせる中盤のシーンのキモとなるのですが、この部分は映画のほとんど後半までその意味が大きな伏線にもするシーンを考え出しました。名誉を傷つけられたり、恥をかかされたりということに、とても重きを置く社会で、そのシーンの恥をかかせる行為の意味は、欧米映画範疇の文化なら大した意味を持たないかもしれませんが、ちょっとまてよ?このシーンを現実にアラブ世界で行ったら…もしかして殺人事件の争いになるレベルのシーンになるんじゃないか???ということに気が付きまして。
 つまりこの映画、輸出先の制限の範囲がかなりそういう風俗的なことにも厳しい地域にも出せる範疇で、しかもその範疇で理解できる概念で作られているのではないかと思ったわけです。実際、アルジュンの映画はデビューの時から、イスラム圏を意識して作られていますが、この映画でならイスラム圏での上映も問題なくいくでしょうが、これの大ヒットとなったタミルリメイクのGhilliはダンスナンバーがかなりセクシャルな意味合いのダンスナンバーが差し込まれています。その曲がアクシャイのBossに先に使われたとはいえ、あの曲のヒンディの意味はもう少しマイルドな『Hum=私たち』だったようにも思います。タミルの曲はもっと二人の間がセクシャルな意味合いだった(^^;) その曲が使えなかったこの映画ではすっぱりそういう意味合いのセクシャルな意味深なダンスナンバーを避け、ヒロインが主人公を男性として意識する恋愛バラードになっています。うーん、そういうあたりも映画の行き先にインドだけじゃなく、イスラム圏を意識、特に風俗的なことに厳しい国に向けての、製作側の意図が映画の中に表れているのではないかとみています。それを思えば、アルジュンのダンスシーンで女性にべたべたしない距離が少し遠いのも(笑)、そういう国でなら受け入れられるのかもしれません。個人的には私のような腐脳婆には物足りないですがw
 また、ラーマヤナの話を踏襲してると思わせる背景の壁画なども差し込んであるあたりも、そこはインド流な表現でもあり、そんなことを考えながら、映画の中に投影されるインドの社会や、この映画を見るだろう国々がどこに行くのだろうと考えながら見るのです。 本当にインド映画は様々な価値観のあることを本当によく理解して作品を作っているのだなと。
 それでもこのカプール家は確かヒンズーだったと思うのですが、存外アルジュンの映画はイスラムに理解を示す映画にでているなと感じたのは私の思い過ごしでしょうか?アクシャイ・クマールあたりならシーク教なので、いろんな融合目指す作品を出すのもそれもわからないでもないですし、シャールクやサルマンなどはムスリムですんで、映画では様々な宗教の役をやっていますが、根底のところでムスリムだなと思う映像も多く(でもスターゆえに思いっきり好きなこと表現してやってますがw)。アルジュンの映画はそこをヒンズーでも理解を示すよというような映画を作ってるのは、映画人だからかあるいは彼の生い立ちにそのハートに思うところがあるからか?と、少し思った理由は次に。

   
<露悪趣味なボリウッド>
 最近はボディの鍛えが足りなくて太り気味なのが残念ですが、おかげでアクションもイマイチの彼ですが(笑)、でも決して下手ではないですし表情も豊かで、そして彼はすぐ泣けます(^^;) あまり殿方ですぐ泣ける人は多くは無いと思うのですが、アルジュンは、母を亡くしてまだ数年ですから、泣けてしまうと思います。そうです、役者が訓練して泣く・・・というのとはちょっち違う、自分の体験を切り売りして泣けてしまう・・・という面を彼は持っていると思っています(^^;)。
 そういやアッキーから受け継いだアクションのKhiladiの名の看板が付いたTVshowで司会をやってましたが、蜘蛛や蛇に立ち向かったりと、アルジュンは「漢」だ演出な番組をやってたみたいですが、蜘蛛や蛇に臆しない様は、やっぱ、オタク気質やの(^^;)とそっちに笑ってしまいましたww バスケの3on3なんかでも、シュートをバシッッと決めてるところからすると、決して運痴なわけではないので普通並みの運動神経は持っているようではあります。
 そしてBollywoodは売れるならなんでもネタにするエンタテイメントに昇華する露悪趣味も持っております(笑) 彼はそれをイヤとは言わないのでしょう。Ki & Ka では、母を思い出して泣くシーンから登場ですし、あの脚本はかなりボリ通な人にはニヤリとできる、キツイジョークがそこかしこに並んでいます。
 GUNDAYでは写真シーンは、アルジュンの生い立ちを年代順に追いかけることでうわーー(^^;)すっげーっ!自虐ネタやんかっ!(^^;)と、ようやっとその画面の意味にたどり着くことができたのでした。映画「TEVAR」 -2015_a0308487_17461036.jpg Mr.Indiaの有名なインド中が知っているシュリデヴィの艶っぽいダンスシーン。GUNDAYでは、その彼女のダンスを突き破って銃を突き付けて飛び出すアルジュンというヒトコマになっています。最初に見たときは、あら父ちゃんの映画貸してもらえたのね、そりゃランチン、アルジュンの息子や甥っ子たちの出る映画だから、アニール、ボニーで協力するわなぁ…くらいにしか思わなかったのですが、ちょっと待てよ?シュリデヴィってステップマザー(義母)じゃん?というより父の二度目の奥さん???ってことだよな…(^^;)と気が付いたら、あのシーンは違う強烈なワーンシーンとして理解することになりはしないかとw。
 Mr.Indiaのプロデューサーは、アニールの兄でありアルジュンの父のボニー。この映画売れたことがきっかけで、ボニーとシュリデヴィは顔を合わせる場面が増えその後恋仲になり、アルジュンの母モナとの結婚に終止符を打つのがアルジュンが11歳の時でした。父Boneyは、祖父Surindar家を出、アルジュンの母モナは子供とともに婚家の家に長い間一緒に暮らし、この多感な時期に、また映画一家の家では子供は甘やかされそうですから、そりゃ一発でグレてもおかしくなかったでしょう(^^;) 内向的なオタクタイプだったようなので、勉強も出来なかった劣等生だった話は広く伝えられていますが、さらに彼のデリケートだった部分の話が伝わるわけではないですが、彼はそれを自分のデビュー作で彼の生い立ちをなぞるような「設定」の役どころでYrfの「Isquzaade」でデビューを果たしました。が、その時にはYRFとの契約を喜んでくれた母は47歳という若さで癌に倒れ逝去。彼のデビュー作を見ることなしに彼のデビューは成功を収めるのです。
 この映画はひじょーーにアルジュンの生い立ちをなぞるような設定にもなっていましたが、ヒンズーとムスリムの恋の悲劇の話でした。悲恋のハートブレイクな彼のプライヴェートがあるとするなら、以前にも書いたサルマンの義妹の話。おそらくはスリンダール家の後継ぎである彼が、将来的にその恋が実る可能性はなかったかもしれず、階級や障害のある恋愛話は、彼には大きく理解できる精神性を持ってるのではないかと。もしかしてずっと彼はその自分を切り売りする露悪を前面に売ってきている?? 
映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01271594.jpg 2作目の映画も(一本、お蔵入りしてしまってるものもある)彼の生い立ちと被る設定をもらい、派手に売れるタイプではないもののゆっくり確実に成長する彼の3作目、4作目が「GUNDAY」と「2States」であり、「GUNDAY」は宗教政治団体のイイがかリのイヤガラセで興行は伸びませんでしたが、若手二人によるまれにみる快作となり、その調子のままに「2States」は脚本がひじょーによく演出も芝居も丁寧なアルジュンをみることができ、「2States」はロングランによる100crクラブ入りを果たした映画となりました。
 「Gunday」でシュリデヴィの有名なシーンに銃を突きつけたアルジュンという画は、あまりにもボリウッドの「露悪」な側面を見せもし、それを了承してこの映画に出ているアルジュン。私はランチンさんにばかり目が行ってましたが、よくよく映画を丁寧に見るととてもアルジュンへの肩入れが作品の中から伝わってくるものがあり、もしかしてこの映画はランヴィールはもちろんのことだが、アルジュンを相当に力をいれて押し出すウェイトのあった映画ではないかと、何度みてもその「画」に楽しくなってしまうのです。

 そこから翌年の2015に、彼の風貌を生かした父や叔父プロデュースによるファミリー・プロダクツなこのTaver。アルジュンやソナクシファンにとっては、とても見ごたえのある一本ではなかったかと思います。ソナクシも自分より下の従弟しかも出来の悪い落第生だった彼と、こんな形で共演してヒーローヒロイン役をやるとは思っていなかったとインタビューか何かで笑ってましたね(笑) しかしそのソナクシも!かつてはデブ仲間(おいっw)元!でぶでぶコンビはしっかり画面の中で絵になる映像として収まってるのは、さすがこれが映画一家のちからかいなと、これを見抜いたサルマン兄貴のその眼力に、ほんっと!脱帽でございます(^^;) 女性は成長が早いけど、男は成長するのに時間がかかるからね(笑) アルジュンの持つ魅力の中に、案外に多彩な表情ができる側面があるのですが、その理由も彼の成長過程におけるもろもろが、案外そういう内面を理解できるセンシティヴさを持ってるからなのかもわかりませんがw 自分の内面を切り売りして映画の設定に役柄づくりに落とし込んでいく、そんな作業ができる役者だから映画の中の表情が存外にいいのかもしれない…と、彼を見始めて居るところです。
映画「TEVAR」 -2015_a0308487_01290058.jpg
 @@次の「Ki&Ka」は明らかにカリーナ・カプールと一緒に出演させました箔付け共演wだと思うのですが、その次の映画「Half Girlfriend」がなんと!Mohit Suri監督なんですよ!(驚) アルジュンもしかしなくても案外、映画界の人からはお膳立てスターではないと思ってもらえてるのではないだろうか?

by AkaneChiba | 2016-09-12 00:35 | Bollywood | Comments(0)

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