遅まきながら2013.2月にインド映画に恋をしてしまいました。


by Akane

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Intermission ミュージカルシーン

 インド映画はミュージカルシーンが多く、ミュージカルに慣れていない日本人は、そのことにひじょーーに過敏になって「インド映画は突然踊る」とどちらかというとネガティブにそれをとらえがちです。
----インド映画「Khal Nayak」(1993)から「Choli Ke Peeche Kya Hai」---

 ですが、もう一度言います、ミュージカルに慣れていない日本人というだけで、ミュージカルファンは世界中にいますし、歌舞音曲/歌舞音「玉」は世界の文化の全てにおいての源です。(「玉」=「宝」という意味もあります) 自国文化をわざと排除して育ててこなかった日本の教育文化の在り方の問題が今の日本の深刻な文化音痴パレードを生み出しているのは事実で、それが自国の文化を守るというごく当たり前のどこの国でも持っている自然な意識の形成にも寄与をなかなかしてこなかった日本の戦後の教育(受験テクニックの進学他)は、ひじょーーに残念で残念でしょうがありません。それでも地方伝統文化をしっかり守ってる取組みがなされているところだけで細々と日本の文化が維持されてるのがかろうじて救いなのですが・・・。それでも、教育なんて関係ない若い感性で育ったサブカルは繋がっていってるので、なんとかバランスを保って今につながっているとは思いますが、やはりそこを広告会社のごり押しでくだらないタレントを輩出してきた日本の通俗文化普及のさせ方や、芸術感性を排除してきた「人間の規格化」の弊害は非常に大きく感じています。芸術才能は無い人材にも、自国の文化を誇りに思う教育が少しでもなされてきていれば、それをむやみに無知で踏みつぶすこともない社会を形成できてきたと思うのです。そのミュージカル(=歌舞音曲)に慣れていない歪んだ教育を受けてきた日本社会が、ミュージカル映画を見て言うのですね「突然踊りだす」と(苦笑)。そんなことないんですよ、日本の大衆は祭り文化ですから突然歌って踊りだすのは日本もそうなんですよ、そしてそれは世界中どこでもいっしょ! 突然踊りだすという人は残念ながら芸術感性がない方かもしれませんが、それは自分自身に「自分は音楽やダンスを楽しむという素養はない」とそう宣言しているにも等しいことをどうか知ってもらって、音楽やダンスを自分が演奏できなくとも踊れなくても「楽しむ」ということは別次元のことで誰にでも出来ることなので、そういうものをまったくの拒否などしないでそのまま楽しんでもらえたらと、私は思わないではいられません。

----ハリウッド映画「Hello Dolly!」(1969) Trailer---



 さて、ミュージカル映画というのは、本場ハリウッドでその数々の名作があるのですが、映像手法によってその映像への収められ方も、時代によってかなり変遷してきています。  昔はフィルムが貴重だった時代は、そのシーンを撮るのだけでもミスが許されず、失敗なしのロングシーンを演じれるパフォーマンスを要求された映像が古いミュージカルになると良く残っています。ですので、それを演じるパフォーマンス側の技量も相当なものが必要でした。

----「All That Jazz 」(1979)”you better change your ways” by Ann Reinking---

  時代とともに映像は編集技術が進みます。そうなるとカットシーンを複雑に繋ぐことにより観客にその映画の中味を理解を深めたり、心情を理解できるような映像を作ることが出来るようになっていきます。それでも俳優の力量が高かった時代はTakeの度に毎回同じレベルのパフォーマンスを演じれる技量があったのですが、元々舞台に出る俳優と映画に出る俳優がその質がまったく目的の違う性質をもつので(その両方をこなせる素晴らしい俳優も沢山いますが)、多少舞台向きでは無い唄もダンスも少し下手な映画俳優でも、見た目が良ければ映像編集でミュージカルが撮れるようにもなってきてしまいます。 もちろん編集作業をプラスに映像演出して素晴らしい画像を作る方向のものが、世間に出されているハリウッド映画などのミュージカル品質のものです。音声技術も進んでいますので、別録音で素晴らしい音質を実現もでき、インド映画はプレイバックシンガーの存在が当たり前ですが、もちろんハリウッドでもプレイバックシンガーの存在はあります。

--ハリウッド映画「オペラ座の怪人」(2004)から”Prima Donna”--

 インド映画の古いミュージカルの50-60年代くらいの映像は言うに及ばず、俳優たちのパフォーマンスが素晴らしい時代であります(撮り直しが効かない時代)。70-80年代は国の方針もあって(戦争もあって豪華なものができなかったり、少ない予算でものをつくったり)、欧米映画のものから10年以上遅れた映像やファッションセンスのものが取り入れられてきたような時代もありました。

---インド映画「Karz」(1980)から”Meri Umar Ke Naujawano”---
 80年代後半以降になると、映像をつなげる技術が既に発達しているので、絵コンテで多くのカットを挟んで映像にストーリーを増やす効果で物語の中味を濃くしていきます(むしろインド映画の80年代の評価は社会派な映画の方が世界的には評価された時代かも知れませんが)。が、それは言いかえれば「見栄えのいい男女」を並べることでも「なんとかなる」ようになってきてしまうミュージックビデオな映像も量産されてもきます(笑) タレントが歳をとればもちろん踊れなくなってくる人も出るでしょう。インド映画はそのスターが世襲な点もあって中には踊れないの(私はサンジュー好きだけど奴は踊りは下手だww)や、かっこよくないのも(笑)いるので こういう編集作業は大事になって来たのでしょう。アクションも効果的に超絶技を見せる面白さなんかも、編集作業はスター様をひじょーーにカッコよく見せるツール(笑)と化してきましたので、90年代くらいのあまりダンスの得意ではない世襲スターのミュージカルシーンは、細切れにその部分だけが踊れれば一つのミュージックビデオになっていきます。やり直しも利くのですから。まぁいろんなミュージカルシーンがありまして、ひじょーーに優れたミュージカルシーンもあれば、踊れないのでとにかくセクシーに見せるしかないそれ外しまくってるよ腹がよじれます映像も、ぎょーさん有ります(笑) ダンスの世界も時流があるわけで、彼らはインド流にこだわるあまり古いタイプのダンスや音楽を出し過ぎてしまったり(歴史ものならそれもいいですが現代ものでそうは行かず)、そのケツカチンドラマなんかのあまりにもその「クオリティの低い」ミュージカルシーンが、大量生産に映画の中に流れだすと・・・突然踊るインド映画が出来上がる・・・というわけで、インド映画のクオリティを低く評価されてくることにもつながってしまいました。

 それら批判を逆にバネにして、映像の品質をあげる努力をし始めた90年代終わりから00年代前半にかけて、映像手法をどんどん技術を取り入れて、ダンスシーンも超豪華な見せ方が出来るようになり、音楽もどんどん若い感性のリズムに切り替わっていきますし、時にインド流のダンスをしっかり見せるもちろんダンス手法もインド流ではなくなって、欧米手法の最先端なダンスがどんどん入って、もちろん俳優はそれをこなしていくパフォーマンスを求められます。リティックなどは、その見目もダンスも古いも新しいも、アクションもこなせる超絶スターとなります。逆に3カーンは若い時代は古いタイプのダンスからディスコダンス等を経て今流のダンスも踊ってきましたが、3カーンとも現代ダンスが得意な時代の映画作りの時代ではありませんでした。 最近は歳であることもあってどんどん踊れなくもなっています。が、映画のクオリティをあげるためにはそのハードルを彼らは越えなければなりません。中年世代が質の向上を図ってくる努力をした結果で、今の若い世代はそれに応えられるパフォーマンスのできる若手を輩出して来ることになっています。

---インド映画「Dhoom:3」(邦題:チェイス!)から”Kamli” by カトリーナ・カイフ--
 3カーン世代の後の世代のリティックは超絶で、さらにその後のシャヒードランビール・カプール等の世襲スターもそのハードルを越えねばならず、ランビール世代も相当踊れるスターたちです。他にもランヴィール・シンやさらにその後のヴァルンにタイガーシュロフにと踊れないでは話にならない若手が続々そこにひしめいている時代になりました。
 私はボリウッド中心に書いていますが、南の映画のスターたちも若い世代は相当に踊れます。南映画は事情が少々違います。彼らは、特に伝統舞踊の踊れる使い手を重んじる部分もあるようで、ボリウッドのような見た目の八頭身の欧米風姿かたちを持つスターとは身体的特徴がかなり異なってインド流になり身長や顔つきの横幅などがインド流になりますが、彼らの南の芸術/音楽に対する素養も深い土壌があり古くにも、新しくにも踊れるスターを育ててきており、現代ものになると、日本ではNTR Jr.などは日本ではニコニコ動画のトリビュートでも有名ですが、00年代真ん中ごろから、その踊れる様を強調するように映像編集技術も使いまくっています(笑) ときにあり得ないダンスをしていたりするのは、それらの編集作業の賜物です。なのでそのワンフレーズだけをこなして踊れますが、それらダンスの多くは通しで全部を踊りきる・・・・というパフォーマンスができる役者の力量を求められるミュージカルシーンなどはあまり見られなくなっています。まぁこれはハリウッドも同じことで、ハリウッドですらもミュージカル映画は先細っている事実(ここ最近少し戻してきましたが)がありますので、せっかく人材がいる国なのに勿体ない話でもあります。

 それでもインド映画はずっとずっとミュージカルシーンを作り続けており、踊れないのも誤魔化すのも、踊れるのをさらに強調して編集しまくってるのも、様々に多様にあることもあって、それらを支えるスタッフたちの力量がしっかりと積み上げられて映画の存在を大きく支えていることを、映像を通して私たちは知ることができます。時にそれらスタッフの自信のある造り手はしっかりしたものを作ってくると、見ているこっちがそのプロフェッショナルな彼らの映像にブラボーと拍手を送りたくなるものです。観客は映画を見ながら、単にストーリーだけを追っているわけではないのです。各俳優のパフォーマンスや映像を作り出すスタッフやらの生み出す映像のマジックを、すべて楽しんでいるはずなのです。 踊りが苦手な俳優だって使い道は有り演技の一環で流れを見せるような演出だったり、超絶カップル両方ともダンスが出来る映像だったり、90年代を牽引してきた女優が結婚出産後復帰してのダンスが色褪せてなかったり、それぞれの映画の中で、決してミュージカルシーンはカット出来る・・・というような存在のものではない多くの作品を生み出しています。ミュージカルシーンは彼らの映画のアイデンティティでもあり、譲ることのできない重要なファクターになっていることを、どうか理解してほしいと思います。

  今年の2015映画であまり売れなかったのですが「Dil Dhadakne Do」という映画がありますが、地味なドラマストーリーなので、脚本も人間模様の群像劇も各俳優の芝居ぶりもかなり通好みの映画になっていました(それがあんまり売れなかった理由でしょうね・笑)。どれも癖ぞろいの俳優が揃ってることもありますが、どの俳優にもそれぞれに芝居をさせてバランスが保ててさらにドラマになっていて・・・と、この監督の技量を各俳優たちが誰もが信頼していることも伺える良い映画でもあります。いい演技が出来るものに出たい・・・という俳優の気持ちは痛いほどわかります。私はこういう大人なドラマが好きなので、じっくり見ておりましたが、こちらの映像を見た途端、画面の前で大拍手をしてしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=jCEdTq3j-0U
 最初はするりといつものパンジャビなタイプの賑やかソング・・・と思ってましたが・・・マイクを主役にこの映像を見ると・・・あれ?この映像!5分近く一度もカメラが切り替わらない!編集無しだ!!!(>▽<)と気付きまして。つまり登場人物たちのダンスのタイミングでそれぞれに絡んでいくので相当にリハーサルを重ねての本番撮りとなります。カメラさんはそれを追っていかねばならないのです。体に固定するあのカメラですね。全員が凄いのとそれを撮るカメラさんとの打ち合わせやリハも相当準備が必要な技量のものですこれは。 
 ハリウッドでも相当ミュージカルシーンってやってきてるけど、ミュージカル映画ではよくある手法の映像ではありますが、最近これくらいのレベルのハリウッドでもミュージカル映像をあんまり見なくなったよなぁ・・・編集作業しまくってきてるから・・・とちょっと思った素晴らしいパフォーマンスの一本でございました。

 インド映画のミュージカルシーンも、このレベルのところまでさらっと出来るくらいになってきたということです。ますますこれらかも楽しみなミュージカルシーンを、インド映画は見せてくれるのではなないでしょうか。ほんとにそういう相当プロなミュージカルをハリウッド映画で見れなくなっちゃった・・・と思っていたら、まさかこんなところで、実現してるとは思いもしないミュージカルシーンでした(^^;)。
 どうですか?インド映画は踊るからって何がおかしいこともあるのでしょう?ミュージカルは嫌いですか?くわず嫌いをしているうちに、日本はどんどんどこにも追いつけないパフォーマーしか生み出せない国になっているかもしれませんよ?それは演じる側だけ/映画を作る側だけがそれを育てるわけでは、ないのではないでしょうか?それを「見る私たち観客の側」も、いろんなものを知ることで、観客自身も育っていって、それが映画のようなエンターテイメントの世界に反映されていくのではないでしょうかね?(^^)v


  @@全部を映像リンクははれませんでしたが、文字でリンクだけ貼ってる先のミュージカルシーン映像追うだけで、きっと二日くらいは十分楽しめると思いますよ(^^)v

by AkaneChiba | 2015-12-22 23:45 | Intermission | Comments(0)

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