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遅まきながら2013.2月にインド映画に恋をしてしまいました。


by Akane

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Intermission 踊ったらアカンの?

Intermission としてインド映画に不可欠な要素の初心者向けな小ネタを、私も知りたいので一緒に勉強して行きましょうか。今回はインド映画は踊る?件にについて 前回のIntermissionはコチラ・・
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Intermission 踊ったらアカンの?_a0308487_054231.jpg インド映画は突然踊りだすと言われますが、踊るの見るのは苦痛ですか?

<映画の歴史はミュージカル>
 さて、インド映画はミュージカルばかりといいますが、もちろん踊らない映画だって作ってますし、社会派の映画だって昔から作ってます。ドキュメンタリーや、ミニドラマ、芸術や哲学的な難しさ満載の映画ももちろんあります。それらを私たち日本が目にする機会が少ないだけだからでもあります。彼らの作ってる映画本数を思えば、日本に、根本入ってきてる本数がむちゃくちゃ少ないだけなんですよね。全然、私たちが彼らの映画のことを何も知らないだけなんです。
 映画の歴史を簡単にたどりますと、トーキー映画になって1927年にThe Jazz Singerという映画が出されます。これがそれまで映画はフィルムだけの弁士が活躍する無声映画だったのが、音が出た映画として「音楽映画」として語られています。その2年後、世界初の全編トーキーによるミュージカルミュージカル映画として、『The Broadway Melody』 -1929  が製作され、ミュージカル映画がその後どんどん作られて行き、1950-60年代くらいまで名作が次々生まれます。映画オリジナルのミュージカルの時代でもあったのが、ストーリー性も重要になってくる50-60年代のあたりからミュージカルは、完成度の高い舞台作品を映画化する方向になり全盛期を迎えるのです。映画そのものも全盛期を迎えるので、ミュージカルだけでが突出していたわけではありませんが、映画にとって百花繚乱の良い時代を迎えることになります。
Intermission 踊ったらアカンの?_a0308487_0281748.jpg
  日本でも同じくらいの年代を時代劇ミュージカル映画など、スターたちが唄って踊って作られています。エノケンは若い世代はわからなくても、美空ひばりを知らない人はいないでしょう。映画の中でステッキもって唄ってた子役が、そののち3人娘のアイドルとして、いづみ、ひばり、ちえみとか、他にも様々なスターたちが、唄って踊ってた映画の時代を日本も作っていたのです。
Intermission 踊ったらアカンの?_a0308487_0282318.jpg 以前もここでかきましたが、音曲歌舞は芸能そのものでして、また歌い踊ることはどこの古い文化でも収穫とか自然や神に感謝するようなところからでてきているようなもので、世界中古来からどこででも唄って踊って楽器で演奏して・・・ってやってきてるのは歴史・文化そのものの根源の話です。能やそのまえにあった猿楽だって、ミュージカルっていえばミュージカルなわけで、突然唄って踊ってる当たり前のことなんですよね。これらは世界共通の文化の形でもあります。
 映画と言うのは、これらをたまたまそのまま映像という文明ツールに収める媒体として発達してきただけで、その編集作業がしやすい媒体ゆえに、そのままの生映像だけでなくその編集を生かしたパフォーマンスの手法のテクニックが発達してきたのですから、映画=ミュージカルだった時代が隆盛を極めたのはごく自然のことではないかと思っています。映画と言えばミュージカル・・・という流れが世界の映画史の根幹をなすものだということは、ちょっと調べるだけでも誰でもすぐにわかることなのです。(報道のような記録映像の世界はまた別の話)
 ミュージカルが好きではない人も確かにいるでしょうが、映画が好きで好きでたまらないという人が「ミュージカルはあまり好きじゃない・・・」ともしいっちゃうとするのなら、それは映画の根幹そのものをディスってるようなものなんですよね・・・_(^^;)




<インド映画 『も』 またミュージカル>
 そこで、インド映画も例外では無く、ましてや長い長い伝統舞踊の深い深い世界を持つ(ちゅーか一つの演目だけで何時間とかざらな世界だよなぁ・・・ ^^;)伝統芸能・舞踊・音楽のものを何らかの映像に残しつつ、新しい時代の価値観と、演劇/映画の手法を取り入れながら、自分たちの文化なモノを世間に伝えたいと考えるのは当たり前のことです。インドでも40年代終わりにはミュージカルな歴史大作が作成され、50-60年代の欧米のミュージカル全盛期を吸収しながらインドらしさを映画に投影し大衆娯楽な映画がつくられ、また一方ではサタジット・レイのようなIndiaian New Waveな映画が世界で評価を受けます(50年代)。50-60年代は世界中の映画がどこの国も素晴らしく、それを今も振り返ることが出来るのも、映像が残っているからです。半世紀以上を越えたその映像を堪能できる幸せな時代に私たちは生まれてきていると感じます。
 (参考URL: ▼インドの映画-wikipedia  http://en.wikipedia.org/wiki/Cinema_of_India  ▼IVC淀川長治 世界クラッシク名画撰集「大地の歌」解説 http://www.ivc-tokyo.co.jp/yodogawa/title/yodo2031.html )

 インド映画の長さや踊りは、欧米映画の影響による長さ、そして映画と言えばミュージカル全盛期、そして宗教文化の祭や、ラーマヤナのような伝統芸能を持つ文化を持つ国であり、それらの下地を持ったものを映像に収めた結果であります。娯楽色が強いのはそれが商売になって成功していることも表していますね。
Intermission 踊ったらアカンの?_a0308487_193931.jpg  現在の中のインド映画の中のミュージカルシーンも、しっかり唄の歌詞がわかれば、ストーリーに沿ったものであることもしっかりわかるのですが、言葉がわからないことでそれがストーリーに重要なキーになることを、興行の都合でわかりたがらない上映館企業の都合に、観客の私たちが倣う必要はありません。(倣う必要が無い理由は、商品提供者とそれを購入する購買者の関係でモノを眺めてみればいいのですから)
 ミュージカル映画として彼らの映画をそのまま理解出来れば、その手法は欧米とは違う形でインド流に特色を重ねて来ています。ミュージックシーンだけを切り取ってもそこで見事に物語の流れや説明を見せているのも、また唄が人の心に心情を伝えやすい表現手段として力を持っていることをよくわかっているのだと思います。
 さて、あなたはミュージカル映画は嫌いですか?私はミュージカルは大好きです。欧米型の慣れたアクション映画でも、臨場感を盛り上げるのに不可欠なBGMに音楽が使われていない映画などないでしょう?音楽があって映画が成り立っているものを、全否定しては映画の意味がありません(笑) ミュージカルシーンも、きちんとそのストーリーを現す/深めるシーンとして重要なのです。 無意味に踊ってるわけでもないのですけれどね。

<ミュージカルシーンの使い方>
 欧米のミュージカルシーンは、歌い踊りながらその技巧テクニックを見せる傾向のものが多いですが、インド映画は、歌う人は別にいます(たまに同じ場合もありますが)。分業にわかれているため、俳優は主にダンスや演技が中心になります。音楽シーンでは、そのストーリーの状況を時間経過としてカットカットのシーンを入れていき、それをみせることで、時間の経過と主人公たちの状況を説明する、あるいは、主人公たちの心情も映像で説明してくれます。セリフのある映像では、いちいち説明臭くなってしまうところを、すぱっと観客に説明するのには、 ミュージカルシーンは持ってこいの演出効果になっています。
Intermission 踊ったらアカンの?_a0308487_0523739.jpg もちろん、俳優たちを目立たせるためだけに踊らせてるような映画も無いわけでは無いですが(笑)、 とにかくにもインド映画は突然踊りだすと思いこんでるのでしたら、決してそういうものばかりでないことも知ってください。インドに精通していない翻訳の下手な運の悪い映画をみてしまったら、ダンスシーンの歌詞の意味合いがどう映画のストーリーに反映されてるかわからないこともあるかもしれませんね。 ストーリーの中でミュージカルシーンが、登場人物たちのストーリーを説明をしてくれていたりするのはざらですからね。また、日本に紹介されているインド映画は、厳選された作品が多いですから、そうそう大きくハズレの映画はありませんので、せっかくのミュージカルシーンを評価しないのは、カットしてしまうのは勿体なさすぎますね。
 インド映画には、人の名前=映画のタイトルになっているモノが多くあります。名前がとても重要なファクターになっているのでしょう。人の名前はその人の歴史です。その人がそこにこんな風に生きてきました・・・という個人史がドラマであり、それを伝えていく習慣や文化が彼らの社会にあるのでしょう。まぁ日本だってそんなもんですが、映画のタイトルにあまり個人名をそんなしょっちゅう使うことはありませんね。名前というのが彼らにとって重要なアイデンティティと文化を現す大事なものになっているのだと思います。名前でカーストとかそういうものもわかるそうですし。だからでしょうかね、物語を語るのに、彼らがどうであったかどう思ったかを語ることはとても重要ですが、それが映画の中に詰め込みますととても冗長で説明臭くなりますね。そういうものをしっかり割愛して見やすい運びにするには、ミュージカルシーンは使いやすい手段のように思います。インド映画に不可欠なミュージカルシーンというのは、その個人たちを現したり、あるいはそれを口実に背景の映像を映したりなどするのにちょうどいいアイテムでもあるのです。中には荒唐無稽なダンスを踊ってる風に見せながら、その社会情勢にとって重要地域を映してみたりしているような映画もありますので、そういうことに気付く知識/インテリジェンスが、貴方の中にあるのかを問われているものもあるんですよ。
 単にどこかの風景の前でただ踊っているっていうようなものだと思っているのでしたら、映画を見る目の持ち方が、あまりにも浅い知識しか無い話かもしれませんねぇ・・・。というか昔の人はそんなことなかったのに、いつの頃から背景すら全て含めて詠むということが出来ない観客が増えてしまったのでしょうか?それも短い映画の方が回転率がいいからと、ミュージカル映画の長さを馬鹿にしてきた上映館興行屋の術中にハマってストーリーさえ追えばいいような、表面だけのものの見方をするのでは、映画が勿体ない事に気付いてください。
 もしかして、それとも映されて困るようなものを映してるミュージックシーンはどこかの誰かの不利益にでもなるのでしょうか?それを読み取る力がある観客がいたら都合が悪いのでしょうか?(笑) それともそんなことがあるのですかね?(^^;) ま、他の文化をディスって排除する考え方は、この日本にはあってほしくないと考えていますが、さてさて今の日本のメディア周りや映画はどうもどこかそのような排除思考の国の影響力を受け過ぎてる傾向にあるように思わないでもないですがねぇ・・・

<ミュージカルを見てない人たちへ>
 欧米型のミュージカルをとにかく見倒してみてのち、日本映画のミュージカルを見倒してみましょう。クレイジーキャッツ映画なんかもミュージカル映画です。加山雄三だって同じです。時代劇だって花柳界社中の方々が踊る狸御殿シリーズなんてミュージカルそのものです。3人娘の、旭も裕次郎も歌って踊っていましたよ。それ観たことが無いからと言って、インド映画は踊ると言われてもなぁ・・と。映画をみんな観てきているような錯覚に陥っていますが、実は映画を全然観てきてなんかいないってことが、ネットのコメントを見ながら感じることが多いです。私なんかより遥かに映画の本数を見てきた方々がいるはずなのに映画を好きだと言う方々が、もっとミュージカルを見てきていたのかと思いきや、案外にミュージカルには理解が無い現実に驚くこともしばしば。それとも根底にミュージカルとは、欧米だけのもので日本がやっていたことを知らないのでしょうか?あるいは、歌や踊りを楽しむ感性が、私たちの方に欠如しているだけなのでしょうか?
 ミュージカルの難点は「金がかかる」んですよね(笑) 製作費がかかる。商業的な価値観から日本でミュージカルが排されてきたのも、案外そんなところに理由があるのかもしれませんわねぇ(^^;)。時代劇とミュージカルは、どちらも金がかかる。映画会社がそこを渋り続けてきたら、なんとか時代劇だけは日本のアンデンティティなので(危機感募らせて)残そうと努力してる向きはありますが(それでも酷い小道具とか歴史捏造する浸食する特亜とかでボロボロだったりしますけどね)、ミュージカルはほぼダメですねぇ・・・。(そういやこの間、舞妓の映画やってたなぁ・・・まだ観てないや・・・あの監督インド映画好きなのは有名ですよね。) 和製ミュージカルが在った時代を、今一度、古い映画をチェックしてみて、それから、インド映画のミュージカル映画も眺めてみると、自分たち日本が何を失ってきたかが、一目瞭然に分かると思いますよ(^^)
Intermission 踊ったらアカンの?_a0308487_0291369.jpg

  @@インド映画のミュージカルシーン、嫌いですか?踊りの名手や、ひじょーに素晴らしい音楽/楽曲を作成してくれてたりしますよ?あなたのハートに、その感性をキャッチする力があるなら、必ずインド映画のミュージカルシーンは気にいりますよ。
by AkaneChiba | 2015-01-22 01:25 | Intermission | Comments(0)

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