遅まきながら2013.2月にインド映画に恋をしてしまいました。


by Akane

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『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』映画評 (Om Shanti Om)

a0308487_233108.jpg この映画に一番ハマった癖に、ちゃんと映画評を書いてないことを気づいて書いてみます。一年越しの映画評です。というか、この映画に出会った衝撃でこの映画に恋に落ちてしまったら(笑)、そのまま、一直線にインド映画に突っ走ってきてしまって、ようやく冷静になれたのが・・・今くらい。。。という・・・なんだかよくわからないくらい恐るべき一本かもしれない(^^;)。

 2013年の春の上映時、映画会社は宣伝を打ってたが、世間の反応は映画マニアしか反応してないくらい地味な反応で(それでも人は入ってた?)、私はようやく仕事が手を離れて上映二十日を過ぎようとしたころにやっと映画館に駆け込む。当時、映画評としても、沢木耕太郎氏が紙面で褒めていたので映画好きには話題になってたのは覚えている。・・・そして・・・・この映画を見た時の衝撃は忘れられない・・・・。人生を一変させてしまった衝撃だった。
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 映画の中の映画の裏舞台・・・インド版の「蒲田行進曲」「キネマの天地」といった趣だったが、何よりもヒロインの美人さ、主人公のオトコマエさ/フェロモンむんむんの色気w、そして何よりも演技力!!! 大好きなシーンに、ウエスタンルックの暴れまわるシーンがあるが、本当に楽しそうにわざとオーバーアクティング(笑)で暴れ回っている。本人もこの芝居はしててムチャクチャ楽しかったんだなwwってのが画面の向こうから伝わってくるワンシーンだった。シャールクはよくオーバーアクティングを揶揄されディスられることもあるのだが、それを言う人はかなり見る目の無い人だと思っている。
a0308487_235668.jpg それだけじゃない。この映画はセリフ映画であることは明らかだが、セリフ音が音楽のリズムのように軽快に劇場の中の音響で駆け巡り、映像の中味も「シニカルなジョーク」(社会体制とかの基礎知識があるとニヤリと出来る)が散りばめられてあり、テーマは「Rock」(体制等への反骨心)なんだなと言うことが、そこかしこに溢れていたのが私には嬉しかった。生煮えな偽善臭いリベラルな風潮が社会を悪くする一方の日本でこんなシニカルな物を作る人は殆どおらず、というか今の骨抜きハリウッドにもいないだろうに・・・(昔のハリウッドにはいた、今のハリウッドにはいない。)、見事にそれらをクリアしている様はアッパレと言うほかなく(笑)(某十字ディスってるのにはワロタww) ストーリーだけが面白いわけではない、映画の中につまりに詰まった「エスプリ」にもノックアウトされたのだ。
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 映像の意味を読み解く力・・・というのは、その人が生きてきた知的経験の積み重ねが無ければ理解が出来ない。例えば、この映画の中で、赤い十字の前で、ヌードに近い半裸男性が踊っているのも、英国支配を受けたことのある印度の歴史があることを知った上で、その時代の大国を畏怖し同時に嫌悪しながらも、文明を学んできた彼らの歴史の複雑さをその一瞬で読みとることが出来る。その映像で観ている私たち観客が「ニヤリ」と出来てしまうのだ。a0308487_2585386.jpg
 社会派な映画などは、それはそりゃぁ~みてきたが、エンターテイメントな映画で、映画を見て「ニヤリ」とできるような映画は、そうそう数は多くはない。それくらいの世相を読み取る社会常識は持っていたいものだが、そこに気付いてこの映画を楽しんでくれた人は、どれだけいるのだろう?という疑問も私の中にはある。

a0308487_252847.jpg この映画の名シーンの一つに、酔っ払いながらスピーチするシーンがあるが、その件についてはコチラでも一筆書くほどに見どころ満載なシーンになっている。こんなところにも、チクリと英国をディスる皮肉なジョークを映像とセリフに効かせて、それに気付く観客を「うーむ・・・」と唸らせるようなそんな映画に私自身かつて出会ったことがあっただろうか?しかもこれらは映画を見終えて、あちこちにシニカルなネタが散りばめられてることに気付いて、あの服でインド人が「I'm King of the world」とはなんと大胆なセリフだろうか!(笑) 英国は今Queenの世代なわけで、うん?っとそこに疑問を感じて、私はネットでタータンチェックというものが、どういうものかを調べようと思ったわけだ。「これはなんか含みがあるぞ?」と。セリフそのものももちろん名セリフだが、そこに何重にも幾重にも重ねられた知的な作業の掘り起こしがあり、あの服を着ていながらあのセリフを言うことに、とても意味がある・・・そういう名シーンだと再度確認した時は、私たちでは到底測れないほどの彼らの知的インテリジェンスに、三度ノックアウトされてしまったのだ。

 音楽の出来も、並大抵ではない。私はラテン音楽が好きなのだが、それとは違うリズムが音楽の中に散りばめられていてむずむず踊りたくなるビートで、しかもエキゾチックな音を醸し出すドラム(タブラ系)やメロディ。脳内でメロディが周る上に、そして何より歌詞がいいっ!音楽にノックアウトされたお陰で、最初映画を観た後、電車の中で足がリズム刻むのを止めることが出来なかった(^^;)。音楽方面に少しでも感性もってる人が、これに食らいつかないわけがないっ!

a0308487_2358100.jpg また音楽の良さだけでなくサウンド・デザイナー、日本で言うところの音響さんのクオリティが、ムチャクチャ高いことが、映画全般を通して伝わってきた。ミュージカル映画は当然のように音響システム細心の注意を払って作られているのは言うに及ばずなのだが、普通の映画で相当、音響システムを意識した映画作りをしていることに感動すら覚えた・・_(^^;)。 日本の劇場はミュージカルですらも時に酷い音響システムなどに気を配ることが出来ない劇場も結構老舗であったりしたので(大阪はいろいろとね・・・)、私は日本の映画上映状況に絶望すらしてたことがあっったのだが。ところがこの映画は映画の面白さ/映像美術/衣装等だけでなく、それらを効果的に見れるよう最大の効果を発揮できるサウンド・デザイナーの存在がこの映画を支えてることに気がつき、そして日本の上映館のその上映状況のお粗末さに愕然としたのだ。何が音響メーカーの日本品質最高とかなんじゃいっ!っと、耳で聴くことに映画の意味があることを全然意識してない映画ばっかりおれらみてきたんかいっ!っと、そのことにも打ちのめされた。日本の映画業界は、客の上に胡坐をかいてることを改めて感じたわけで・・・。他にも、とにもかくにも、この映画が技術的にも、いろんな方面で相当の水準にある超一級の作品であることに気付いた(^^;)

a0308487_3123134.jpg 映画にハマって後から知ったことだが、あの燃えたセットのスタジオも、その資金力で作り上げたというから、規模そのものの超!スケールが違う。ハリウッドのように映画撮影の為の街を丸ごと作っているのは知られた話だが、ムンバイでもそのレベルのスタジオが作られ、広い豊かな土地に映画村を作り上げ、それを廃墟にするという撮影も行って・・・と、もぉ~日本にゃできねーー!ってレベルのことを彼らは作り上げていたのだ・・・_(^^;) 

 あーちょっっと、観客目線と、職業路線との視点から、この映画を絶賛しちまって、映画そのものの中味には触れてないのは、ご容赦いただきたい(^^;) ストーリーなんかゆっちゃったら勿体ないもの(笑) 

 普通にインド映画を知らない人がこれをみても驚愕するのに、さらにインド映画のことを知ってる人が見てもネタの宝庫で、この映画を知ってキッカケに次々いろんな映画を見ていって、そこに散りばめられてるネタ元の映画も次々みていってもちろんシャールク映画だけでなく、スターたちのことも知ってその作品もみてしまって・・・いまやすっかり!インド映画廃人への道へまっしぐら・・・_ノ乙(、ン、)_ a0308487_349666.jpg このスターを知らなくても何故か一枚脱いだだけでごっつい盛り上がるシーン(笑) 今はすっかりそれぞれのスターたちの作品を山ほどみてしまい(私はSRK以外にツボったのはサンジューですw)、この間はとうとうアッキーのKhiladiシリーズまで踏破してしまいますたww 勿論、KarzやMugal-E-azamやMother Indiaのようなクラッシックのものも見れる範囲でアレコレコレアレ。そういう今まで知らなかったインド映画の知識が頭に入って、またこの映画を見ると格別の感慨も生まれ、見る度に違う角度から幾重にも楽しめる掘りだせる作りになっているこの映画の深みにどっぷり漬かって・・・。
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 映画そのものも、インドでは2007年この映画は大ヒットとなります。海外配給も大きく叩きだし、欧州でも知られたヒットに。ドイツファンサイトや、ドイツのネット販売店などで、シャールク達がどれだけの人気を誇るかは今でもそれを知ることが出来ます。私はドイツサッカーファンで、そのサイトを巡ってる折りに、そんな当時話題になってたことには気づきませんでしたが、何年も経ても、この映画にたどり着いたのですから、その何年もの間この映画を愛し続けている人がいたことにも驚くばかりです。そしてそれだけの素晴らしい色褪せない作品であるということなのです。あああ、書いてるとまた見たくなっちゃったよ・・(^^;) 
 
 気がつけば、映画館だけでマサラ上映も手伝って、十数回、大きなスクリーンと素晴らしい音響でこの映画を観賞し、家では英語字幕版と日本語版のDVDを両方持ち、何度も何度も映像を見、人生でこんなにも同じ映画を何回も観賞するという機会を手のしようとは、思いもよりませんでした(^^;)。
 私の中の映画のベスト3は、溝口監督「雨月物語」、ヴィスコンティ監督「Il gattopardo」(山猫) ジーン・ケリー監督「Hello, Dolly!」(ハロー・ドーリー!)他大好きで何度も観た映画ではテリー・ギリアム監督の「Brazil」だったのだが(どれも小難しい芸術的、かつプロフェッショナルなとこいっとんなぁ、自分に無いもの求めとんなぁ・・・ ^^;)、もちろんこれらも何度も何度も見ている映画だったけれど、それをアッサリ遥かに超えて映画館に通い詰め、私の中の金字塔になってしまった映画・・・それが、このOm Shanti Omこと「恋する輪廻 オーム・シャンティー・オーム」 その映画なのである。

  @@映画の中味の紹介はしません。あなたの眼でそれを確かめてください。


by AkaneChiba | 2014-03-21 05:04 | 00年代 | Comments(0)

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