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遅まきながら2013.2月にインド映画に恋をしてしまいました。


by Akane

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日本の上映問題=施設と音

2013年10月にmixiに書いた日記、再掲載
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 ミニシアターさんというのは、資金も箱モノもひじょーーに制限された状況で映画を上映してくれている。そういう映画館では『映画への愛と誇り』があるからこそ、頑張ってくれているわけで。『新しく作られたミニシアター』なんかは、かなり音響を頑張ってくれてたりしている。
 ところが、一番お金がかかる「箱モノ」が一番難しい資金のかかる話で、空いた不動産スペースの埋め場所・・・としてミニシアターなんかにした上映館なんかだと、建物が古かったりするので、音響システム、防音システムを、そうそうガッツリ工事できるわけではない。特に大音量の低音は、他の階などに響くので、どーしても音量を制限されるという状況にある上映館というのも、残念ながら存在しているのだ。 ミニシアターさんは、映画が好きで映画を好きな観客の為に運営をしてくれているのにも関わらず、必ずしも最適な上映環境を作り出すことに成功しているとはいえないジレンマを抱えてもいる。

 そもそもミニシアターさんがこのところ出てきた状況の一つに、「上映のキャパ」が「無い」という日本の映画の抱える深刻な問題が背景にあります。

 日本は映画を沢山作ってるけど、上映できる「小屋」が「数が足りない」という問題を抱え込んでいて、映画の観客数がビデオ普及で減って以降、映画配給/上映/興行と、全体観客数が減ってしまい、そんな中で大手は収益優先で人が来るものしか小屋掛けしないものですから、益々「上映されない映画」というのが積まれていき、日本は自由に映画が上映出来ないシステムを社会に築きあげてしまいました。その負の螺旋スパイラルで、日本の映画は自縄自縛に陥っています。それは今もなかなか解消されていません。

 そんな中、自分たちでその上映小屋(=ミニシアター)を作る人たちも現れます。が、そういうところはさすがに「資金が限られます」ので、望み通りの「ウワモノ」をゲットできるわけではありません。元々、空きスペースだった不動産を映画館にしたような場所だと上映環境があまり良くない「箱」での映画なので、音量が上げれなかったりするのは、しょうがない・・・という側面もあります。



 またインド映画は、世界市場から言えば、欧米映画中心の世界では二次的第三国映画扱いを受けていました。理由は、実際著作権概念が欧米に及ばずパロやパクリも多く、インド文化宗教慣習に沿ったリメイクし直しなども作品にあったりと、そういう歴史を積み上げてる事実はありました。 最近、00年代くらいからインド映画は、そのマイナス点をクリアする努力してきており、作品のクオリティをグンっと実力をあげ付加価値を高めて、作品単価値段を上げることに成功しています。また、世界規模の在外インド人他のファンの市場+映画そのもののファンを増やしている事実もあります。

 インド映画のオリジナリティな特色は、音楽にありまして、音楽のリズムは中央アジア独特のリズム感と音の感性持っててこれは素晴らしいので、そこを独自に自分たちの国の映画の「売り」として磨いてきています。インド映画は「ミュージカル多々」で、ひじょーーに音が良いのです(プレイバックシンガーさんたちがいて、専門職で、役者自身が歌ってるのではないのが、かえって功を奏してる例です)。 が、必ずしもそれが日本のようなPoorな映画上映状況では、理解がされているわけではなく、ミュージカルであるとか音楽の質・リズムがひじょーーに良いことを全く理解してない上映館も少なくありません。音楽やリズムに関して日本はとても世界に遅れているのは、日本の特色(泣)でもあります・・・残念ながら。 他、ハリウッド以外は認めないような頭の固い価値観な理由も相まって、日本ではインド映画はマニアな映画扱いをされている状況なのです。

インド映画に限らずとも、日本は映画の上映環境はいいとは言い難い映画上映第三国なのが現状なのだと、気がつかされました(30年ほど前にもその事実は気付いてましたが、30年経っても殆ど何も変わってなかったのは驚きです T^T)。 上映場所が少ない/上映環境施設が無い/内容理解して上映されていない・・・という『3重苦』を、インド映画は背負っているのが日本の上映事情です。しかも広報・広告関連のところが、ひじょーーーに!質が悪い(T^T) 広告商社の出来の悪さは先進国中、類を見ないレベルで「変な連中が闊歩」しています、日本国内・・・・・・・・・orz。 (なんかの一緒の繋がりやコネ持ってる関東メディア関連組織との個人的なコネないと日本じゃ生きられないみたいです・・・。実力評価じゃないんだよなぁ・・・)

 インド映画を好きになってたった半年~の私ですが、その半年の間にあちこち上映館を周って、こういう上記に書いたようなことに、すぐに気がつかされました。というか上映最初の2カ月もしないうちに音の大事さに気付くと同時に、いろいろ疑問に思って調べまわったり聞いて回ったり、素晴らしい上映してるミニシアターさんに自分で気付いたりして、その理由を理解してしまいました(T^T) 一般観客にこれ言わさせてる時点で、近辺の上映館は終わっとります、人、はいらなくて当然ですわw(^^;)w
 そして、ストレス無く観れるのは、ウワモノ、「箱」がしっかりしてる大手さんや特別の上映だけとなりますが、でも、大手はビジネス優先/広告優先のキャパなので、広告がきちんとされなかったり偏ったりして結果、上映範囲/作品自体が極端に制限されて狭くなります。糞みたいな絵しか描けないアニメとか、ある程度集客見込めるからシネコンでやってたりしますが、毎年観に行ってる身としては・・・時々暴れたくなるような出来の映像のものもあります。あれでプロとして金取っていい範囲違うぞっ!っていう・・・この間のコナンは酷かったぁ・・・所詮アニメなんかあんなもんやっとゆってしもた(^^;)

 映画製作はある意味メソッドですから、本来はそこを積み上げてきただろう組織や業界のはずのものが、日本の最近の時代劇なんかみてるとすっかり!「その作法や理屈は間違ってるだろっ!」みたいな映像を見ることも少なくなく、映画人材が実は日本は今現在ひじょーーにPoorになってるのは、誰もが認めるところだと思います。そうでなければ、むちゃくちゃ変なアゲアゲ広告とかで出演者や製作者を持ち上げたりするサクラが沸いたりなどして、それが少しでも匂いが漂えばハナにつきます。妙な持ち上げ宣伝してる映画ほど、面白くないものはありません。実際、実力ないから宣伝で誤魔化すしかなく、宣伝方法も身内アゲアゲとかでやっちゃうので、期待して観に行って出来が悪けりゃ、そら、動員数があがることはありません(^^;) 商品を売るためのセールスだって、商品に一定の質が維持できなければクレーマー続出して一転、訴訟沙汰。個人の感性に評価が委ねられるものゆえに、商品の品質をどうこう客観的評価をするのはひじょうに難しいものですから、難をのがれていますが、映画館に客が入らない→それはなにより映画が面白くない 他ならないからで・・・・ツールや観客のせいにする業界や広告会社とかは、根本の性根が腐ってるだけなんですよね(^^;)
(メーカーがその品質保つくらいの努力を組織的にしてみろよ・・・家内手工業みたいなプロダクションから買い付けてる制度でブラック構造化してる以上は、クオリティなんかあがるわけないだろww)

 それに比べインド映画は、観客動員数はやはり人口に比して多いので、映画一本あたりにかけられる資金の額が、日本など到底及ばないレベルの資金で映画作りがなされてきています。その事実を、私たちは知らねばなりません。(日本だけがガラパゴス・泣)。それでもネットに駆逐されてて、インド映画も苦戦があるらしく、世界にどうやって自分たちを売ろうかと前向きに挑戦しているその姿勢は、私たちが大いに学ぶべき姿勢だと思います。「批判を素直に取り入れて、前進しようとする」その「姿勢」は非常にオープンで謙虚でもあり、映画への愛ゆえの誇りすらも感じられます。頑迷なケチすぎる後継を育てない日本職人(見て盗め親方丁稚奉公主義が強すぎ)が、必要な基本すら教えないという気質のマイナス点を、日本の映画界に持っているのだと私は考えています。教育を金にしすぎて日本業態職種という社会的構造上の欠陥を持っているのも大きな原因なんですけどね、ガラパゴス・ニッポンのマイナス点・・・orz  

 今回、IFFJ大阪上映を観に行って、建物の構造上あまり音量を上げられる状況では無いところだったようで、かなり音量が小さい上映環境に・・・・がっくりきたんですわ・・・orz 日によって音量違ったりして、それでも全体音量小さくて、インド映画は音楽がとても重要なのに・・・・と握りこぶしに握りしめて、うち震えながら観た6本でした(泣)素晴らしい映画いっぱいあったのに、それを穢されるような思いになった(>_<)
 加えて、映像それだけでなく、火曜はフィルム事故も(デジタル上映?フィルム?違うのか?なんだあの2回のブツ切れ影2回)少々あったりしまして、その上、音まで低いのでせっかくのリズムが聞こえてこないっ!Housefull2とか見てるときとか、この映画はお馬鹿ドタバタ映画なので、音ぐらいきかせろよぉ~~~~~~(>_<)と、フェラーリはいい映画だっただけにまた音楽も良かっただけに、映画を踏みにじられてるような気さえして。 「ここも・・・・インド映画が、音楽映画だなんて理解してもらえない上映館か・・・orz」と。建物の構造上仕方がないにしても、それにしたって、あの音の状況は可哀そうだろう・・・・悔しかった・・・・(;_;) 

 日本の映画の話は、ダメになってる一番の理由は、こういう末端の「観客のことなんか全く無視」している興行や上映側の、施設事情もそうですが、「日本流の頑迷さ」にあるのではないかと、このところ本気で疑っております。
 
 その日の上映終わって最後に
「残りの日にち、上映の際、音、ちゃんとしたげてください。でないと(映画が)可哀そうです」
そういわざるを得なかった一観客の気持ち(>_<)、さまざま難しい条件の中で、映画を上映する技師さんやらに、少しでも伝われば・・・と思い、ここにこうして書きとめている次第です。

//--------
このところ、いろいろネット範疇でも調べて、気になったブログ。ちょっと参考にでもなりましたら(^^)
◆日本映画の音はなぜ聞き取りにくいのか? [映画技術]
http://filmmania.blog.so-net.ne.jp/2009-09-05?
◆日本映画の映像はなぜ汚いか? [映画技術]
http://filmmania.blog.so-net.ne.jp/2009-07-12?
---------//



  @@大阪は、アートモノ総合芸術モノで、ウワモノ育たない土壌してる(才能ある人は皆東京に行く)なぁ・・・と痛感している20年以上~ですわ(^^;)
by AkaneChiba | 2014-03-30 00:48 | 上映館 | Comments(0)

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